日本管材センター株式会社

お知らせ・関連情報

豆知識

No.115

職場での熱中症対策を学ぼう

管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。

近年、夏の異常な暑さの影響で熱中症による死亡災害が増加し、社会的に大きな問題になっています。
2025年6月1日より改正労働安全衛生規則の施行に伴い、職場での熱中症対策が法的義務化されました。
以下の作業条件を満たす場合に熱中症対策が義務付けられています。
・暑さ指数(WBGT)が28℃以上、または気温が31℃以上の環境下での作業
・連続して1時間を超える作業、または1日の合計作業時間が4時間を超える作業
熱中症対策として、企業でどのような取り組みが必要なのでしょうか。近年注目を集めている熱中症対策グッズなども含めてご紹介いたします。

WBGT値(暑さ指数)の活用

WBGT値(暑さ指数)とは、熱中症の発症に関与するとされている、「気温」「湿度」「日射」「気流」の4要素を総合的に評価したものです。人が受ける暑熱環境による熱ストレスを評価し、熱中症を予防するための指標として活用が推進されています。
厚生労働省が発表している表で身体作業強度とWBGT基準値を比べてみましょう。
基準値を超える場合には、冷房等を使ってWBGT基準値の低減を図る、身体作業強度の低い作業への変更などの対応が求められます。
※画像内の暑熱順化者とは1週間以上継続的に暑い環境で作業し、暑さに体が慣れている人。暑熱非順化者とは暑さに体が慣れていない人(入職直後や長期休暇明けなど)を指します。



出典:「職場における熱中症対策の強化について」(厚生労働省)より抜粋

また、WBGT値(暑さ指数)は2024年4月から運用開始された熱中症警戒アラートにも活用されています。 熱中症警戒アラートは発表対象地域内のいずれかで、最高WBGT値(暑さ指数)が33以上(35以上は熱中症特別警戒アラート)と予測した場合に発表されます。

職場における熱中症対策

熱中症対応の基本的な考え方は、「見つける」→「判断する」→「対処する」です。
1. 「見つける(早期発見)」
2. 「判断する(救急隊要請・医療機関への搬送)」
3. 「対処する(作業離脱・身体冷却)」
そのためにも、熱中症対策をしなければならない企業においては以下の3つの対策が義務付けられています。

「①報告体制の整備」
熱中症のおそれがある人を早期発見するために、管理者が作業現場を定期的に見回り労働者の状態を確認する、2人1組でお互いの体調をチェックするバディ制度を採用する、などの取り組みが求められます。
「②実施手順の作成」
熱中症の疑いがある従業員を発見した際、スムーズに対応するために緊急連絡網や緊急搬送先の連絡先および所在地などを共有しておくことが重要です。また、緊急度別の対処方法を記載したフロー図やマニュアルを作成し、いつでも確認できるようにしておきましょう。
「③関係者(労働者)への周知」
整備した体制や手順を全労働者へ伝える、熱中症に関する研修を行う、朝礼や社内掲示板などで定期的に情報を発信するなどの対応が必要です。



注目の熱中症対策グッズ

最近は新たな熱中症対策グッズも数多く発売されています。その中でも特に注目されている2商品についてご紹介します。

・黒球式熱中症計
前述したWBGT値(暑さ指数)を計測するためのグッズが黒球式熱中症計です。
気温のみをはかる温度計、気温と湿度をはかる温湿度計とは異なり、黒球式熱中症計は気温、湿度、黒球温度の3つの要素が入っていることが特徴です。名前の通り「黒球(こっきゅう)」と呼ばれる内部が空洞の黒い球がついており、輻射熱によって温められた黒い球体の内部の平衝温度を計測しています。
夏季の屋外などでは太陽の直射や地面からの照り返しなど、周囲からの輻射熱が熱中症に大きく影響するため、輻射熱の測定は重要な項目となります。


出典:「暑さ指数計の使い方」(環境省)より抜粋

・腕時計型デバイス
腕時計のように手首につけることで、深部体温を計測することができるデバイスです。深部体温とは脳や内臓など体の中心部分の体温のことです。体表面の温度が外気温などによって変動するのとは異なり、深部体温はほぼ一定の温度に保たれるようになっています。体温調節機能がうまく働かなくなり深部体温37.5℃以上の高温状態が続くと熱中症発症のリスクが高まります。
デバイスが収集するデータをもとに深部体温の上昇を検知すると、音や振動、光などで使用者に通知します。使用者は熱中症になる前の適切なタイミングで休憩や水分補給ができるため、熱中症発症のリスクを大幅に下げることができます。


2026年4月に最高気温 40℃以上の日の名称が「酷暑日」と定められたことが話題になりました。今後、日本での暑さ対策への関心はますます高まることでしょう。
建設現場で働く人などに限らず、日常生活を送る中でも熱中症対策は欠かせなくなっています。熱中症警戒アラートを確認したり、熱中症対策グッズなどを活用したりして、各々が熱中症にならないように対策をとりましょう。

2022年8月の豆知識「知っておこう!熱中症応急処置」では、実際に熱中症になってしまった時はどうしたらいいのか、「熱中症応急処置」についてご紹介しています。
また、熱中症の要因の一つである「脱水症」について2024年7月の豆知識「脱水症に注意!簡単にできるセルフチェック」で、自分でもできるセルフチェックの方法をご紹介していますので、合わせてご確認ください。