日本管材センター株式会社

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豆知識

No.114

身近な素材「銅」について

管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。

私たちの生活の中で様々な製品や設備に使用されている「銅」。
今回は、建設・管工事の分野でも密接な関わりをもつ銅についての基礎知識をお届けします。

銅ってどんなもの?

銅(Cu)は紀元前から利用されてきた金属素材です。赤みがかった光沢が特徴的で「赤金(あかがね)」とも呼ばれ、その扱いやすさから人類が装飾品や道具として使用した最も古い金属とされています。
銅には様々な性質があり、中でも常温での安定性、非常に高い延性(引っ張りで伸びやすい性質)・展延性(薄く広げやすい性質)に優れています。紀元前8000年頃には中東地域で自然銅が発見され、石で叩いて加工する技術が発展しました。また、導電性と熱伝導率の高さから電子機器や熱交換器、耐食性・抗菌性にも優れているため医療機器やドアノブなど、現代に至るまで幅広い用途で活躍しています。



建築業界における銅の用途と需要

優れた加工性と耐久性のある銅は、古くから建材として使われてきました。
その用途のひとつが冷媒配管です。空調機器の室内機と室外機をつなぐ冷媒配管には、加工性に優れ現場での接続施工が容易な銅が使われています。高い加工性と耐熱性に加え抗菌性を備える銅管は素材そのものが薄くて軽く、耐震性・耐凍結性の高さも証明されていることから生活用水と直結する給水・給湯配管としても重宝されています。空調機器・冷蔵庫・工場のボイラーや冷却設備などに内蔵されている熱交換器にも銅が使われており、高い熱伝導性によって流体(液体・気体)の熱を高温から低温へ効率よく変換する役割を担っています。
また、建物の屋根や内外装材に使用される銅は大気中の化合物によって表面に保護被膜ができ、腐食の進行を防ぎます。化学反応の影響で緑青(ろくしょう)などの独特の色味の変化を見せ、長い年月にわたって家屋を守っています。



価格高騰する銅の現状

鉱山などの天然資源には限りがあり、世界的なインフレの影響で価格が高騰している銅。新しい銅鉱山の開発には調査を含めて10年以上かかるため、需要と供給のバランスが崩れつつあります。
脱炭素需要によってCO₂の排出量を削減できるEV(電気自動車)の普及が加速しています。その製造過程でモーターやバッテリー、配線などに使われる銅の量は80〜90キログラムで、ガソリンエンジン車の4倍ほどです。また、EV用の急速充電器にも1台につきおよそ8キログラムの銅が使われ、充電時間を短縮するために出力を上げると1基あたりの銅の使用量がさらに増えていきます。
また、近年の発展が目覚ましいAI(人工知能)やクラウドサービスを支えるデータセンターの建設増加も銅の需要に大きく影響しています。高性能なサーバーを24時間稼働させ、それを冷却するための設備も常に動かし続けなければならないため、膨大な電力を消費します。データセンターの電源ケーブル、変圧器、配電盤、冷却装置など、電気を扱うあらゆる設備に銅は不可欠な素材です。データセンター1メガワットあたり約27トンもの銅が必要とされています。
こうした背景も重なり、銅が手に入りにくく価格高騰が続いている現状には、社会全体として向き合っていかなければなりません。


普段あまり意識していなくても、実は私たちの生活に欠かせない銅。今後そのあり方がどのように変化していくのか、注目していきたいと思います。