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注目高まるナフサと建築業界の関わり
管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。
ニュースなどでも耳にすることが多くなった「ナフサ」。
今回は、昨今の中東情勢の緊迫化に伴って流通が不安定になっているナフサとその用途、建築業界への影響について解説します。
ナフサとは
ナフサはガソリンに似た透明な液体で、原油を蒸留して得られる基礎原料のひとつです。原油からはガソリン・軽油・重油といった様々な成分が抽出され、ナフサの割合は元の原油の10%程。揮発性が非常に高く常温でも簡単に蒸発してしまう性質から「粗製ガソリン」「直留ガソリン」とも呼ばれている貴重な資源です。

ナフサからは何ができる?
ナフサを高温で分解することで、様々な基礎化学品を生成することができます。それらを加工して多くの製品が作られています。
エチレン
ポリ袋や食品包装フィルムを作るのに使われるポリエチレンの原料であり、ペットボトル、ポリエステル繊維などの原料エチレングリコールにもなる。
プロピレン
ポリプロピレンの原料で、プラスチック容器や車のバンパーなどが作られる。プロピレン自体は塗料やアクリル繊維の原料にも使われる。
ブタジエン
タイヤや靴底、スポーツ用品に使われる合成ゴムの原料。テレビなど家電製品のボディに使われるABS樹脂というプラスチックの原料にもなる。
ベンゼン
発泡スチロールやプラスチック製品に使われるスチレンモノマー、ナイロンの原料となるシクロヘキサン、接着剤や塗料に含まれる樹脂の原料フェノールなどが生成される。
トルエン
塗料・インク・接着剤・シンナーなどの溶剤として広く使われ、プラスチックや合成繊維、フェノールなどを作るための基礎原料となる。
キシレン
塗料・インク・接着剤・農薬・シンナーの溶剤や洗浄液として使われる。ポリエステル樹脂やプラスチックの可塑剤を作るための重要な原料にもなる。

参考:石油化学工業協会HP(https://www.jpca.or.jp/studies/junior/tour02.html)
ナフサ不足による建築業界への影響
ペルシア湾とオマーン湾の間に位置するホルムズ海峡は、中東産の原油が輸送される主要ルートのひとつです。2025年後半から中東情勢の緊迫化によってホルムズ海峡が事実上封鎖され、原油の約99.7%を国外からの輸入に頼っている日本ではナフサが不足する事態となりました。
発泡ウレタンや押出法ポリスチレンフォームといった断熱材をはじめ、塩化ビニル管・防水シートのフィルム・電気配線の被覆材・シンナー系塗料など、多くの建材や管材にナフサ由来の原料が利用されています。2026年の春以降、高まるナフサの供給不安に伴い建材・管材の生産量の調整や価格高騰が相次ぎ、建設計画の遅延・中止など建築業界にも大きな影響を及ぼしています。
中東情勢の収束やホルムズ海峡の安全確保の見通しが立たない現状、ナフサ不足の解消も不透明な状況が続くといわれています。

あらゆる製品や部品の原料として私たちの生活と密接に繋がっているナフサ。
刻一刻と変わる世界情勢の動向にも目を向けながら、貴重な資源を無駄にしないよう心がけ自分たちにできることから実践していくことが大切です。