日本管材センター株式会社

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No.23

渋谷地下工事の内容とは!?

管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。



2020年オリンピックを前に、都内では建設ラッシュを迎えています。 至る所で建設工事が行われている場所と言えば「渋谷」ではないでしょうか? 日に日に高くなる地上の高層ビルにばかり目を向けがちですが、 今回の豆知識では、地下ではどのような工事が行われているのかご紹介します。

近年、異常気象によるゲリラ豪雨が頻発するようになりました。ゲリラ豪雨が起こると怖いのが冠水ですね。特に渋谷はその名のとおり、周りを宮益坂や道玄坂に囲まれたすり鉢状の“谷”で渋谷駅周辺が一番低いところに位置するため、雨水が流れ込みやすくなっています。

ゲリラ豪雨以外でも、台風時など大雨になると、地下街が浸水し、改札口が閉鎖され、迂回を余儀なくされるなどの被害が発生することも珍しくありません。

そんな状況を打破すべく、2019年度完成見込みで、渋谷駅東口の地下25メートルの深さに、約4000トンの雨水を一時的に溜めることができる貯留槽を建設しています。4000トンという貯留量は、25メートルプール8個分に相当します。集水対象は宮益坂を中心とした400m四方のエリアで、降雨量75mm/hまで浸水被害を発生させないことを目標としています。

既存の下水道は降雨量50mm/hを前提に設計されていることから、新設される雨水貯留槽は不足する25mm/h分を受け止められる設計になっています。1時間あたり50ミリを超える雨が降った際、この貯留槽に水を溜めて、天候が回復した後にポンプで汲み上げて48時間以内に下水道に放流する仕組みです。また、貯留槽内はいくつかの小部屋に分かれており、異なる高さの壁で区切ることで降水量によって水がたまる小部屋を使い分けられるようにし、使用後の掃除範囲を狭める工夫がなされています。

この雨水貯留槽以外にも、渋谷の地下では電車の乗り換えをスムーズに行うための地下広場の建設や、渋谷川の移設など、様々な再開発事業が行われています。

便利で、安全安心な街づくりの実現のために、見えない所で着々と工事が進められていると思うとわくわくしませんか?

渋谷駅周辺自体の工事は2027年まで続く予定です。果たして渋谷駅がどのように変わっていくのか、これからも目が離せませんね。