日本管材センター株式会社

お知らせ・関連情報

豆知識

No.107

部屋の中で気になる「音」の原因は?

管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。

部屋の中で生活していると、聞きなれない「音」が聞こえてきたことはないでしょうか。
音の原因がわからないと、何かが故障しているのではないかと不安になると思います。
今回は部屋の中で気になる「音」の原因と対処方法をご紹介します。

●水栓周辺で聞こえる「コーン!」や「ガン!」

シングルレバーの水栓で水道の水を止めた時や、全自動洗濯機・食器洗い機を使用している時、「コーン!」という何かを叩いたような音や「ガン!」という衝撃音を聞いたことはないでしょうか。これは水道配管内の圧力変化によって起こる「ウォーターハンマー」という現象です。
ウォーターハンマーについては2020年9月の豆知識:「ウォーターハンマー」とはで詳しくご紹介しているため、こちらをご確認ください。



●エアコンの冷房・除湿運転時に聞こえる「ポコポコ」

◆「ポコポコ」音の原因
エアコンの冷房や除湿運転中に、室内機から「ポコポコ」という不思議な音が聞こえることがあります。特に「ポコポコ」音が発生しやすいのが、気密性の高い住宅です。
気密性の高い住宅では、窓を閉め切った状態で換気扇などを使用すると、給気量より排気量が多くなり室内の気圧が低下します。また、強風の時は屋外の気圧が高くなり、相対的に室内の気圧が低くなります。
空気は気圧の高い方から低い方へ流れる性質があるため、室内の気圧が低いと外気が室内に入り込もうとしますが、気密性が高い住宅では空気の通る場所が少ないため、エアコンのドレンホースが空気の通り道になることがあります。
外気がドレンホースを通り室内機に入り込み、ドレンパン(結露水の受け皿)を通過する際、溜まった結露水に当たることで「ポコポコ」音が発生します。




◆対処方法
上記のような室内外の気圧差によるポコポコ音は、簡単な方法で解決できます。

① 給気口を確認する。
もし室内にある給気口が閉まっていた場合は給気口を開けましょう。ドレンホース以外に空気の通り道ができ、ポコポコ音の解消につながります。※24時間換気システムは、給気口の常時開が原則となっているため、ポコポコ音が止まっても閉めないようにしましょう。
給気口を開けているのに音がする場合は、フィルターが汚れて目詰まりを起こしている可能性があります。通気性がよくなるように掃除をしましょう。掃除の方法は2023年3月の豆知識:24時間換気システム、掃除していますか?をご参照ください。

② 窓を開ける。
①と同じく、ドレンホース以外に空気の通り道を作ることが目的です。窓を全開にする必要はありません。少し開けるだけでも室内外の気圧差がなくなり、すぐに音が止まります。

③ 換気扇を弱める、止める
換気扇を強で使用している場合、それを弱に切り替えたり、止めたりすることで排気量が減り、ポコポコ音が解消することがあります。換気扇を止めても音が鳴り続ける場合は、①や②の方法を並行して試してみましょう。

④ ドレンホースの向きを変える
強風の時に有効なのが、ドレンホースの向きを変えることです。風が吹き込むことを防ぐために、ドレンホースの先端を風向きに対して垂直になるように調整しましょう。ただし、無理に向きを変えるなどしてドレンホースが損傷しないように気をつけてください。



●エアコンの暖房運転時に聞こえる「プシュー」

◆「プシュー」音の原因
暖房運転時に「プシュー」という音とともに暖かい風が出なくなり、エアコンが壊れたのではないかと焦る経験をしたことはないでしょうか。これは「霜取り運転」と呼ばれる正常な動作で、故障ではありません。
寒い季節に暖房運転をしていると、室外機の熱交換器に霜が付着します。霜がついたままだと暖房効率が下がるため、エアコンは自動的に霜を溶かす霜取り運転を行います。霜取り運転は室外機の熱交換器を暖めることで霜を溶かしているため、霜取り運転中は室内に温かい風が吹き込まなくなり暖房が止まっているように感じてしまいます。




◆対処方法
基本的に数分~十数分の霜取り運転が終わると暖房運転は再開するため、特に何か対処をする必要はありません。ただ、霜取り運転が頻繁に起こるという場合は下記の対処方法を試してみてください。

① 暖房の設定温度を下げる。
室内を温めようとする力が大きいほど、室外機の熱交換器が冷やされて霜が付きやすくなります。頻繁に霜取り運転が発生するようであれば、設定温度を1~2℃ほど低くしてみましょう。

② 室外機周辺のスペースを整理する。
室外機の近くに物があると、室外機から吹き出した冷たい空気を再び吸い込み、霜が付きやすくなります。室外機の周囲は整理して物を置かないようにして、風の通りをよくしましょう。また、雪が積もっている場合は雪を取り除く、雪が多い地域では置台や防雪部材を設置するなど、雪対策を行いましょう。

③ フィルター掃除をする。
室内機のフィルターがホコリなどで目詰まりすると、エアコンの暖房効率が低下し、霜取り運転が増えることがあります。エアコンを稼働させる時期は定期的にフィルターを掃除しましょう。

※霜取り運転の時間を短縮したいからといって、室外機に直接水やお湯をかけないようにしましょう。再凍結や熱交換器の劣化、電子部品の故障につながる恐れがあります。



部屋の中で聞きなれない音がすると不安に感じてしまいますが、原因や対処法がわかれば安心ですね。
今回ご紹介した対処法では解決しない場合や、ご紹介した以外の異音が鳴る場合は故障かもしれませんので、専門業者に相談してみましょう。