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日本一の山、富士山の水に注目!
管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。
日本を代表する山、富士山。美しい景観ばかりが注目されますが、実は私たちの生活になくてはならない水に関わる大きな役割を果たしています。
今回はそんな富士山の水に関わる豆知識をご紹介します!
そんなに多いの!?富士山の降水量
富士山といえば山頂に雪が積もっているイメージがありますよね。富士山頂の年間平均気温は約-7.1℃で、7月や8月でさえ平均気温は6~7℃ほどまでしか上がりません。1年を通してほとんどが氷点下なのでいつ雪が降ってもおかしくない環境になっています。
では、富士山全体の降水量はどれほどなのでしょうか。
富士山全体にもたらされる年間の降水量は約22億トン、東京ドーム約2,000杯分に相当します。1日に換算すると約600万トンで、そのうち約150万トンは蒸発していると考えられています。そして残りの約450万トンは富士山全体に浸み込み、地下水として蓄えられているのです。
湧き水になるまでどれくらいかかるの?
富士山に浸み込んだ約450万トンもの水は長い年月を経て何層にも重なった溶岩層の隙間から湧き出し、湧水になります。富士山に浸み込んでから地表に現れるまでは数十年かかると推定されていますが、厳密には湧き出てくる場所によって年数は変わります。
例えば、湧玉池の湧水は0~20年、小浜池や白糸の滝の湧水は13~23年ほどかけて湧水として湧き出しています。
富士山が生み出す名水
・湧玉池
1日約20万トンの水が湧き出していて、2008年には環境省が制定した平成の名水百選にも選ばれています。年間を通して湧水量は一定で、温度も13℃前後を保っています。池の脇には水汲み所があります。
・柿田川湧水
柿田川は日本一の水量を誇る清流で、数十か所の湧出口から1日約120万トンもの水が湧き出しています。周辺地域約35万人分の飲料水として、なくてはならない資源となっています。
・陣馬の滝
1日約4.8万トンが湧き出る滝で、源頼朝が富士の巻狩りで近くに陣を張ったことからその名が付きました。水汲みスポットもあり、ミネラル豊富な水を制限なく持って帰ることができます。
湧水はミネラル豊富で水道水とは異なるまろやかな口当たりが楽しめますが、汲む場所によっては飲む前に煮沸が必要な場合もあるので十分に注意して富士山の名水を楽しみましょう!