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日本のダムについて知ろう!
管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。
8月は1年間で最も水の使用量が多くなる月です。
洗濯したりシャワーを浴びたりする回数が増え、さらには飲料としての需要も高まります。
そのため政府は、国民に水の大切さや水資源開発の重要性に対する理解や関心を高めてもらおうと8月1日を「水の日」、8月1日~7日を「水の週間」として定めています。
そこで今回は日本の水源、ダムに焦点を当てた豆知識をご紹介いたします!
ダムってなに?
ダムとは、川の流れをせき止め、水を貯める施設のことです。
河川法により堤高(高さ)が15m以上であるものと定められています。
水門や堰(せき)も水をせき止め、川の水量を調整する役割を担っていますが堤高が15m未満であり、そこがダムとの違いです。
ダムの役割
治水
大雨が降った時など、山から流れてくる水をせき止めることで下流地域を洪水被害から守ります。
利水
渇水に見舞われた時など、あらかじめダムに貯めておいた水を放水することで水不足を防ぎます。
発電
水を高いところから低いところに流し、その水の勢いで発電機を回すことで電気を作り出す水力発電をおこなっています。水の勢いが強いほど電気の量が増えるため、水の量が多く、落差が大きいほど多くの電気を生み出すことができます。

日本にはどのようなダムがあるの?
●堤高ランキングNo.1 【 黒部ダム 】
場所:富山県中新川郡立山町芦峅寺
着工:1956年
完成:1963年
日本を代表するダムの1つである黒部ダムは、水力発電専用のダムです。日本で一番の高さを誇る堤高は186m。水はダムから約10㎞下流の地下に設置された黒部川第四発電所に送られ、約545mもの落差によって発電しています。
黒部ダムでは、今年は6月26日~10月15日の期間に観光放流をおこなっています。
※天候などにより放流を中止する場合もございます。
●堤頂長ランキングNo.1 【 大谷内(おおやち)ダム 】
場所:新潟県中魚沼郡津南町大字大谷内
着工:1975年
完成:1989年
もともとあったため池を改修して貯水量を約3倍に増やした大谷内ダムは、堤頂(ダム頂上部の長さ)が1,780mあり日本で一番堤頂が長いダムとして知られています。一般的に想像する堤体ではなく、貯水池全体をぐるりと囲っているのでこのような長さになります。
●総貯水容量ランキングNo.1 【 徳山ダム 】
場所:岐阜県揖斐郡揖斐川町開田
着工:1971年
完成:2008年
徳山ダムは日本最大級のダムで、濃尾平野を流れる木曽川・長良川・揖斐川をせき止めており、総貯水容量は6億6千万㎥あります。この水容量は浜名湖の約2倍、東京ドーム約532個分に相当します。石や岩を積み上げて作るロックフィルダムで、日本最後の巨大ダムとも言われています。
国土交通省と独立行政法人水資源機構の管理するダムでは、「ダムカード」を配布しています。
基本的な情報からコアな情報まで記載されているので集めてみるのも面白そうです。

ダムカレーを食べてみよう!
ダムカレーとはご飯をダム、カレーソースをダム湖に見立てて盛り付けたカレーライスのことです。全国各地に趣向を凝らしたダムカレーが存在し、主にダム近隣の飲食店で提供されています。
ダムカレーの発祥は黒部ダム近くの飲食店で提供されていたアーチカレーだと言われています。黒部ダムの建設現場は極寒であり、寄宿舎で振舞われていたカレーライスが作業員の心の拠り所だったそうです。ダム完成後、そのカレーライスが日向山高原にあった大町クラブハウスでアーチカレーとして提供されていました。現在は黒部ダムカレーに名前を変え、長野県大町市のご当地グルメとして今もなお人々に愛され続けています。
この夏、日本のダム巡りを通して「水」について考えてみるのはいかがでしょうか。