日本管材センター株式会社

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豆知識

No.97

インナーサッシで
冬の結露から家を守る

管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。

年々、寒暖差が激しくなっていく日本の気候。特に、窓ガラスの結露に悩まされることも多くなるのがこれからの季節です。
家の中で最も熱の出入りが激しい窓の機能性が暮らしに大きく影響してきます。
本格的な冬を迎える前に、結露対策に役立つ「インナーサッシ」に注目してみましょう。

■「インナーサッシ」とは

既存のサッシ(窓枠部分の建材)の内側にもう一枚ガラス戸を設置し、二重にした窓を「インナーサッシ(二重サッシ、内窓)」と呼びます。
マンションのリフォーム等では共用部分にあたる窓を勝手に交換することはできませんが、インナーサッシは部屋の所有物である専有部分になるため、工事によって取り付けることができます。(※ただしマンションによっては規約で禁止しているところや事前申請が必要な場合もあるため、必ず管理組合に確認をとってください)



■結露が発生しにくくなる仕組み

既存の窓のみの場合、冬場は室内で暖まった空気中の水蒸気が外気によって冷やされた窓との温度差で液体の水に戻り、ガラス面に付着して結露が発生します。窓の内側にインナーサッシがある場合には、間に空気の層ができることで冷たい窓と室内の空気は直接触れることがなくなって結露しにくい状態が保たれます。



■インナーサッシのメリット&デメリット

<メリット>
上記の仕組みで温度差のある空気同士の接触を防ぐことで、特に冬場の結露による湿度上昇・内壁の劣化やカビの発生を抑える効果が期待できます。外の冷気や熱が室内の空気に影響を及ぼしにくくなるので、断熱性が高まり快適な室温を保つことが可能になります。
同時に、窓が二重になることによって防音・防犯の面でも安心感を得られます。
インナーサッシは材質やデザインも豊富なので、部屋の雰囲気に合ったサッシを選ぶことで窓を含めて統一感のある空間をつくることができます。





<デメリット>
一方で、インナーサッシを取り付ける際は既存の窓から内側数センチのスペースを利用するため、居室内の床面積が狭くなります。
また施工には費用がかかり、半日〜1日程度の工事に立ち会う時間も確保しなければならないので、一時的ではありますがそれなりの準備が必要です。
単純に開閉や掃除の手間が増えるため、面倒に感じる人もいるかもしれません。

■インナーサッシは環境にもお財布にも優しい?

環境省では、断熱窓への改修による既存住宅の省エネ化を促す『先進的窓リノベ2024事業』という取り組みをおこなっています。所定の設備改修をおこなうことで補助金が交付される制度で、断熱効果によって冷暖房器具のエネルギー消費やCO2排出削減への貢献が認められるインナーサッシの設置もこの事業の対象となっています。(※2024年12月現在の情報です。次年度以降の事業内容は変更される場合があるため、詳細は環境省HPをご確認ください)
通常のガラス戸では冬場に暖房で温めた空気が外に逃げてしまったり、夏場の熱気が室内に入り込んでエアコンの効果が充分に得られないこともありますが、インナーサッシで熱の出入りを抑えることで、エアコンのコストパフォーマンスが上がり光熱費の節約につながります。



冬は暖かく夏は涼しい、快適な室内環境を整えるヒントとして、インナーサッシについてご紹介しました。引越しやリフォームなどの機会に取り入れてみてはいかがでしょうか。