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いざという時に備えて!消火器について学ぼう
管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。
9月1日は防災の日です。この日を含む1週間は防災週間と呼ばれ、防災の知識を高めたり普及させたりすることを目的として様々な講演やイベントが実施されます。
職場や家庭でも防災について話し合ったり、防災グッズを見直したりする人が多いのではないでしょうか。
今回は防災グッズの一つである『消火器』について、ご説明します。
消火器は『住宅用消火器』と『業務用消火器』に大別されます。本体や箱に「住宅用消火器」「業務用消火器」という表示があり、見分けられるようになっています。
住宅用消火器と業務用消火器の違いは?
【住宅用消火器】
住宅用消火器は戸建て住宅や集合住宅の居室内などの一般家庭で使用できます。
消火器本体に「普通火災」「天ぷら油火災」「電気火災」「ストーブ火災」など、適応できる火災の種類が絵で表示されています。

住宅用は業務用に比べて小型で、女性や高齢の方でも使用しやすくなっています。また、デザインに規制はないため、一般的にイメージされる赤色だけではなく、カラフルなものや見た目がおしゃれなものなど、インテリアにこだわりのある方でも取り入れやすい消火器も多く作られています。人気キャラクターとコラボしたデザインのものもあります。
多くの住宅用消火器は使用期限が3~5年で、点検の義務はありませんが、いざという時に備えて薬剤の漏れや変形、著しい錆などがないかを定期的に確認することが望ましいです。使用期限が来たら本体を新しいものと交換してください。(消火薬剤の詰め替えはできません。)
【業務用消火器】
消防法で定められた設置義務がある場所、例えば映画館や病院、飲食店などには業務用消火器を設置する必要があります。設置義務がある場所に住宅用消火器を設置しても消火器として認められません。
消火器本体に「A火災(普通)」・「B火災(油)」・「C火災(電気)」など、適応できる火災の種類が絵で表示されています。(業務用消火器に書かれている火災の種類については「火災の種類は?」にて後述します。)適応できる火災が文字だけで表示されているものは旧規格品の消火器です。規格省令改正により、旧規格品は2021年12月で使用期限が切れており、新規格品の消火器への交換が必要なので注意してください。

業務用消火器は容器の色に規制があり、本体の25%以上を赤色にするように決められています。
また、消火薬剤の詰め替えが可能ですので、使用した後は薬剤を充填して再び使用することが可能です。
使用期限はメーカーによって異なりますが、おおむね8~10年です。消防法で定められた設置義務がある場所に設置する場合は、点検を6か月に1回以上行う必要があります。
それでは、オフィスなどで見かけることが多い業務用消火器について、さらに詳しく説明していきます。
消火器の中身は?
消火器の中身には『粉末系』『水系』『ガス系』の3種類があり、それぞれ適応できる火災の種類があります。
消火器の中身の種類と火災の種類の適応表がこちらです。

粉末系消火器
粉末の消火薬剤を用いたもので、現在最も普及しています。また、火をおさえる力が最も強力です。ただし、放射時間が15秒前後と比較的短いので、火元を的確に狙うことが大事です。また、浸透効果が無く、燃えている物によっては一度消えても再燃する可能性もあるため、鎮火後は完全に消火したかどうかを確認する必要があります。
水系消火器
冷却効果が高く浸透性があり、再燃を防止できるのが特徴です。粉末系消火器と比較すると放射時間が長く、消火中の視界も優れているため、落ち着いて消火活動を行えます。
水系消火器はさらに細かく、強化液消火器、機械泡消火器、水(潤滑剤等入)消火器などに分けられます。
ガス系消火器
二酸化炭素による窒息効果を利用して消火します。消火薬剤がガスであるため、精密機器や電気設備による火災に対しても使用でき、汚損しないという優位性があります。

火災の種類は?
火災の種類は基本的に『普通火災』『油火災』『電気火災』の3種類に分けられます。火災の種類によって効果的な消火方法は異なり、使用する消火器の種類も変わってきます。
A火災(普通火災)
普通可燃物(木材、紙、布、繊維、ゴム製品など)による火災を指します。
A火災(普通火災)では、水系消火器、粉末系消火器が使用可能です。ガス系消火器は適していません。
B火災(油火災)
天ぷら油などの食用油やガソリン、灯油などの燃料、アルコール類などによる火災です。
B火災(油火災)では、水(潤滑剤等入)消火器は使えません。油火災に水を加えると一気に炎が広まることもあるので注意してください。
水系消火器の中でも強化液や泡系の消化薬剤が入った消火器は使用できます。粉末系消火器やガス系消火器も使用可能です。
C火災(電気火災)
電気設備(電線、モーター、コンセント、照明機器、電化製品など)による火災です。
霧状の強化液や水が入った水系消火器、ガス系、粉末系の消火薬剤が入った消火器が使用できます。
このように、火災の種類によって効果的な消火方法が変わってくるため、目的に合わせて消火器を選ぶことが大切です。そして、設置して満足するのではなく、いざという時に備えて操作方法も確認しておきましょう。
消火に関しては過去の豆知識でも取り上げています。2018年4月の豆知識「消火の種類」も合わせてご覧ください。
また日本管材センターでは消火設備などの防災業者様に特化した部署もございます。レベルの高いスキルと専門知識を持ってお客様に対応いたします。