日本管材センター株式会社

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No.61

給水方式について(後編)

管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。



蛇口をひねると出てくる水は、浄水場から水道本管を通って使用場所の近くまで運ばれてきます。そこから各蛇口へ給水するにはいくつかの方式があります。先月に引き続き、それぞれの給水方式について説明していきます。先月更新した「給水方式について(前編)」も併せてご覧ください。

給水方式には大きく分けて「受水槽方式」「水道直結方式」の2パターンあります。
今月は水道直結方式について説明します。
水道直結方式は水道本管の圧力を利用して、水を供給する方式です。
水道直結方式の中でもさらに「直結直圧方式」「直結増圧方式」に分かれます。



●直結直圧方式
直結直圧方式は水道本管から給水パイプを分岐させ、水道本管の圧力のみで建物内に直接送水する方式です。そのため、戸建住宅などの使用水量の少ない建物や低層かつ小規模の建物に採用されます。一般的には水道本管からの圧力で最高3階程度まで届くとされています。

●直結増圧方式
直結増圧方式は水道本管から給水パイプを分岐させ、ポンプなどの増圧給水設備を設置して建物内に直接送水する方式です。水道本管の圧力で足りない圧力分を増圧給水設備で増圧して供給する方式のため、比較的規模の大きい中高層の建物へ給水することができます。

水道直結方式の特徴をまとめます。
【特徴】 
・水質劣化の可能性低い(貯水をしないため、水道本管から水質を維持したまま給水できる)
・電気代かなり少ない(水道本管からの水圧を有効に利用できる)
・受水槽・高置水槽設置スペース不要(受水槽のスペースが不要なため敷地スペースを活用できる)
・維持管理費少ない(受水槽の清掃メンテナンスが不要になる)
・意匠性高い(高置水槽がないため、建物の美観を損ねることはない)
・停電時の給水確保(水道本管からの水圧分であれば給水できる)
・断水時の給水不可(受水槽での貯水分がないため、地震や水道本管の破損による断水時は一切給水ができない)

先月説明した受水槽方式に比べて様々なメリットがある水道直結方式ですが、断水時には一切給水ができなくなるという点が大きなデメリットです。

それぞれの給水方式によってメリット・デメリットがあるため、戸建住宅、マンション、商業ビル、学校など建物の種類や規模、給水高さ、敷地のインフラ環境によって、より良い給水方式が選ばれています。 皆さんがお住いの家はどの給水方法なのか、一度確認してみてはいかがでしょうか。


受水槽方式については「給水方式について(前編)」をご覧ください。