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No.53

じわじわ増えている大型木造建築に注目!

マンションやオフィスビルと聞いて、木造をイメージする人は少ないのではないでしょうか。
しかし、2021年3月末に仙台市で7階建ての木造ビルが完成し大きな話題を呼ぶなど、最近は大型木造建築が注目を集めていることをご存知でしょうか? 銀座では2021年秋に12階建ての木造ビルが完成予定、東京・日本橋では2025年完成予定の国内最大・最高層となる地上17階建ての木造オフィスビルの新築計画も進められています。

■海外の大型木造建築

この傾向は日本だけに限りません。海外ではすでに大型木造建築ブームが広がりを見せています。
2017年カナダ・バンクーバーで柱や床などの主要構造材に木を用いた高さ約53m・18階建てのブリティッシュコロンビア大学学生宿舎が完成。2019年ノルウェー・ブルムンダルに高さ約85 m・18階建ての木造複合ビル「ミョーストーネット」が完成。現在木造建築物において世界一の高さを誇っています。
この他にもオーストラリア・シドニーで40階建てのハイブリッド木造タワー建設計画、イギリス・ロンドンで80階建ての木造高層ビルの建設構想が公表されるなど、計画段階のものも数多くあります。

■CLT

木造で高層ビルを建てるにあたって欠かせないものが「CLT」という木質材料です。CLTは、Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略称で、ひき板を並べた層をクロスに重なるように板を貼り合わせた、木の塊のような分厚い素材です。日本では、2013年に日本農林規格(JAS規格)が制定され、「直交集成板」という名称が定められました。繊維方向が直交しているので変形しにくく、コンクリートにも匹敵する強度を誇っています。また、断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的な効果も期待でき、梁や柱のほかにも壁や床などに幅広く活用できるという強みがあります。
しかし、まだ普及が進んでいない現在では、材料としてのコストが高いという課題があります。今後、国内の木材生産や流通の効率化、CLTパネル工場の大型化など、生産全体にかかる体制の整備、そしてそれに伴う需要を高め、コストを下げることが必要になってきます。

■木造建築のメリット

それでは、なぜ大型木造建築に注目が集まっているのでしょうか。二つの視点からメリットを取り上げていきたいと思います。


◎施工面◎
建物全体の重量を比較すると、木造は鉄筋コンクリート造のおよそ1/5~1/6の重さと言われています。建物が軽いため、基礎工事の簡素化や材料輸送コストの低減に寄与し、工事全体の経費削減に繋げられます。
また、あらかじめ工場で必要な加工を施し、パネル化、ユニット化をしたうえでの搬入が可能なため、現場での加工がほとんどなく、施工工数を削減でき、工期短縮につながるというメリットもあります。

◎環境面◎
環境面で考えると、木造は鉄筋コンクリート造などに比べて建築時のCO2排出量が少ないため、CO2の減少が見込めます。また、木の炭素吸収力は一定年齢でピークを迎え、その後は低下してしまいますが、ピークを過ぎた木を伐採し、吸収力のある若い木に植え替えることで、森林リサイクルを進められるため、木材を大量に使用する木造建築の普及が期待されています。

このように施工面でも環境面でもメリットがある木造建築は、今後さらに増加が見込まれています。数十年後には木造建築が主流になっているかもしれませんね。