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豆知識

No.39

耐震・免震・制震のちがい

TVCMなどで「耐震住宅」や「免震構造」といった言葉を聞いたことはないでしょうか。 地震が多い日本だからこそ、建築物には対策を講じる必要があります。 しかし、「耐震」と「免震」って何が違うの?と疑問に思った方も少なくないかもしれません。 そこで今回の豆知識では、「耐震・免震・制震のちがい」についてご紹介致します。

耐震

文字の通り、地震の揺れに耐えられるように補強した構造のことを言います。 具体的には柱、梁、壁などをつなぎ目で強固に緊結し、建物自体の変形をできるだけ抑える方法や、建物の壁に筋交いを入れるなどして補強する方法があります。日本の戸建て住宅においては比較的多い構造です。

耐震構造は建物が直接振動を受けるので、室内設備への影響も大きいことを考慮しなければなりません。例えばエアコンの室内機を吊っている吊りボルトに振れ止め支持金具などを取り付けて振れを抑制したり、配管においても柔軟なフレキシブル継手や可とう性のあるゴム製の継手、ハウジングタイプの継手を用いることで漏水などの二次災害のリスクを軽減することが出来ます。

免震

免震構造とは、建物と基礎の間に免震装置(絶縁部材)を設置することで地盤が激しく動いても、建物自体は揺れに追随せず、振動が伝わりにくい構造のことを言います。 この揺れを受け流す免震装置は、「アイソレータ」と「ダンパー」の2種類の装置で構成されています。

「アイソレータ」は地盤と建物を構造的に絶縁する、ゴムと鉄板を交互に挟んだ「積層ゴム」が一般的です。ゴムと鉄板の相互作用により、建物の重さを支えながら水平方向には柔らかく対応し、鉛直方向には変形しにくい造りになっています。

「ダンパー」はアイソレータだけでは長く続く揺れを止めきれないので、乗り物のサスペンションのような機構を活かして揺れを吸収します。例えば「鉛ダンパー」が用いられる場合は、本体部の鉛が振動に対して変形することで、減衰力を発生させます。 また、地盤や建物の特性に対してアイソレータとダンパーを適切に組み合わせることで、より高い免震効果を得ることが出来ます。

建物への振動を受け流すので、耐震構造に比べて室内への影響も少なく、機器類の落下リスク等も低減出来ます。 しかし、多少の揺れは生じてしまう場合があるので、特に発電機や空調機器類等のライフラインにはフレキシブル継手や免震ダクトを用いて地震直後でも機能を損なわないように対策を講じることも大切です。

制震(制振)

制震構造は、振動自体は建物に伝わりますが、建物に組み込んだ制震機構によって揺れのエネルギーを減退、吸収する構造です。

制震構造は大きく3つに区分されます。

1つ目は「パッシブ制震」と呼ばれる、電力などの外部エネルギーを使わず、建物の各所に設置したダンパーや、エネルギーを吸収しやすい金属を利用した制震壁などを使って振動を減衰させる構造です。停電の影響を受けにくいので、安定して性能を発揮できます。

2つ目は少量のエネルギーを使用する「セミアクティブ制震」です。具体的には、設置したオイルダンパー内部のオイルの流量をコンピュータなどで調節し、逐次、地震の振動に対して適切に減衰を促す構造です。

3つ目は「アクティブ制震」です。例えば建物に「おもり」を設置し、振動をセンサーがキャッチすると、おもりが自動的に地震の振動と打ち消しあう振動を加え、建物の揺れを減衰させる方法です。例えばブランコに乗っている時に体の重心を移動させて急停止をしようとする姿をイメージするとわかりやすいかもしれません。

どの構造も地震への備えとして工夫されているので、迷ってしまうかもしれませんが、一つの構造に絞らず、耐震+制震、耐震+免震などそれぞれの良さをうまく組み合わせることも可能な場合がありますので、様々な選択肢の中から皆さんに合った構造をお選びください。