日本管材センター株式会社

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No.36

建設現場におけるヒヤリハットと対策

管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。



建設業での労働災害は年々減少傾向にありますが、依然として現場では重大事故が発生しています。ニュースでも度々重大な事故が取り上げられますが、1件の重大災害の背景には29件の軽微な事故があり、300件のヒヤリハットが隠されているという「ハインリッヒの法則」という考え方があります。 今回の豆知識では「建設現場におけるヒヤリハットと対策」をご紹介したいと思います。

転倒

「足場での移動中に結束線につまずき転倒しそうになった」

安全の基本は4S(整理・整頓・清潔・清掃)です。転倒事故は現場内においてどの場所でも起きる可能性がありますが、障害物を失くせば発生リスクを減らすことが出来ます。今回の例では、足場は段差がないように組み、特に足下には結束線や紐などのつまずきやすいようなものを放置しないことが大切です。他にも材料や工具を使った後はそのままにせず、都度、所定の置き場や工具箱に戻すように心がけることが大切です。

転落

「脚立を利用しているときに開き止め金具が緩み、ぐらついて落ちそうになった」

建設現場での転落事故は非常に多く、高所からの転落だけではなく脚立や階段から落ちてしまう軽微な事故も後を絶ちません。最近では立馬を推奨し、脚立は使用禁止とする現場も多くなっています。もし脚立を使用する際には、2人以上の作業とし、使用する前後に開き止め金具をかけた状態で脚立を少し動かしてみて、開き止め金具が緩んだり、外れないことを確認するなどの点検が重要です。また、高所での作業は必ず安全帯を使用しましょう。

酸欠

「地下ピットに入り、酸素欠乏症になりかけた」

数か月間作業が無かった地下ピットに入った時に起こったヒヤリハットです。地下ピットが長い間密閉され、酸素欠乏危険場所となっていることに気付かず、作業者はピットに入る前の酸素濃度測定や、換気をしないまま作業を続けていました。つまり、酸素欠乏の危険さについて作業者自身が十分な知識を身につけていなかったことが原因と言えるでしょう。転落、転倒などの物理的な被害だけではなく、このように目に見えなくても重篤な災害が起きてしまうこともあるので、現場内の危険について十分な知識をつけ、事前の確認を欠かさないように気をつける必要があります。

危険は予防出来る

建設現場内では上記以外にもまだまだ沢山のヒヤリハットが隠されています。しかし、安全への意識を持ち、行動すれば事故を予防することが可能です。そのためには作業開始前に危険予知活動としてグループで「KYミーティング」を行い、これから取りかかる作業にはどのような危険が潜んでいるかの洗い出しやその対策を立てること、また作業中も互いに合図や声掛けを交わすことで自分だけではなく、他の作業者の災害リスクも軽減出来る事があります。

重大な災害を起こさないためには1人ひとりが安全への意識を持ち、ヒヤリハットから無くしていくことが大切ですね。