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消火の種類
管工機材を中心に扱う専門商社である日本管材センター株式会社では、毎月建設設備業界に関する豆知識を紹介しています。
料理をするときやヒーターを使うときなど、火は私たちの生活に欠かせない存在です。しかし使い終わった後は安全に消火をしなければ火災の原因となってしまいますよね。
そこで今回の豆知識では、「消火の種類」についてご紹介したいと思います。
燃焼の仕組み
まず、火が燃焼を続けるには、<燃焼の3要素>が全て揃う必要があります。
<燃焼の3要素>
- A 可燃物・・・燃焼するもの。
- B 酸素・・・燃焼を支えるもの。
- C 熱源・・・発火点以上の温度。
つまり、この3つのうちどれか1つでもなくなれば燃焼は止まる(=消火)ということです。
消火の種類
この3つの要素にそれぞれ対応した消火方法があります。
<燃焼の3要素>
- A’ 「可燃物」を断ち切る「除去消火法」
- B’ 「酸素」を遮断する「窒息消火法」
- C’ 「熱源」の温度を下げる「冷却消火法」
A’ 除去消火法
除去消火法とは、可燃物の供給をやめたり周囲の可燃物を 取り除いたりして燃焼を止める消火法のことを言います。
例えばガス漏れが原因の火災の場合、ガスの元栓を閉めて可燃物の供給を止めることで消火を行います。また江戸時代の火消しが刺又で燃えている家屋の周辺物等を壊して被害を食い止める方法も除去消火法と言えます。
B’ 窒息消火法
窒息消火法とは、酸素の供給を止めたり、周囲の酸素濃度を下げたりして燃焼を止める方法です。例えば、アルコールランプに蓋をかぶせたり、燃えているものに砂をかけたりすることによって燃焼に必要な酸素を断ち切ります。また、立体駐車場や密閉された室内では二酸化炭素やハロゲン化物を注入して部屋の酸素濃度を低下させて消火する方法などがあります。
C’ 冷却消火法
冷却消火法とは、冷却して点火源から熱を奪い、燃焼物を発火点以下に下げることで消火する方法のことです。火元に水をかけて消火する方法がこれにあたります。
水による消火はもっとも原始的かつ、強い冷却作用があるほか、 水が燃焼物を包み込むことで酸素の供給を断つ効果もあります。しかし下記のような火災には水による消火が適さないので注意しましょう。
・禁水性物質(リチウムなど水と接触することで発火する可能性がある)
・一部の油類(水より軽いので水面の上に広がり燃焼範囲を広げてしまう)
・電気火災(感電の恐れがある)
消火に水を使えない場合はガス消火設備や粉末消火設備を使った消火が効果的です。
もしも消火ができない時は、一刻も早く煙から逃れることが大切です。濡れたハンカチやタオルを鼻と口にあて、呼吸は鼻から吸って口から吐くようにし、低い姿勢で落ち着いて避難しましょう。