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ハノイレポート

No.9

初開通!ハノイ都市鉄道

Xin Chao(シンチャオ)、FriKaの樋口です。
今回のハノイシーズンレポートは、2021年11月6日に開通したハノイ都市鉄道についてご紹介致します。

ベトナム初の都市鉄道計画

ベトナムで初となる都市鉄道の計画は中国の融資により2008年からスタートしていましたが、実際に最初の計画路線である2A号線(今回開通した路線)が着工したのは2011年で、その後も度重なる遅延が生じ約11年の年月を経てようやく開通となりました。当初は2013年の開通予定であったため、8年遅れの完成でした。そのほかに現在開発中の3号線(フランスの融資)、と1号線、2号線(ともに日本の融資)の計画があり、最終的には全10路線となります。主要空路であるNoi Bai空港や各郊外へと延びる路線など大規模な開発が予定されていることから、今後も長期的にベトナム経済の発展が期待できます。

  • 全計画路線図

今回開通した2A号線について

さて、今回開通した2A号線の話に戻ると、2A号線はハノイ中心部のCat Linh駅から、開発の進む郊外Ha Dong区Yen Nghia駅をつなぐ高架鉄道で、全長約13kmの中に12の駅が設置されています。開通後15日間はなんと全区間無料乗車を実施、多くの国民に鉄道の便利さを知ってもらうため、ベトナム政府は太っ腹な計画を敢行しました。現在でも運賃は8,000VND~15,000VND(日本円で約40円~75円)、1日乗車券は30,000VND(約150円)、1ヵ月定期券が200,000VND(約1,000円)と日本と比べてかなりリーズナブルな価格設定となっています。さらに工業団地労働者と学生は半額、高齢者と障害者、6歳未満の子どもは無料と鉄道利用の普及に向けて積極的な政策を取っていることがわかります。

  • Cat Linh駅
  • Cat Linh駅
  • Yen Nghia駅
  • Yen Nghia駅

しかし、今回の2A号線の総費用が計画当初の約440億円から約905億円にふくれあがったことから総工費の回収と、バスとの接続性・利便性をより向上させることが大きな課題とされています。各駅の駐車場・駐輪場の設置とともに鉄道利用普及に向けて早急な改善が必要と言われています。このようにインフラが整備されることで渋滞が緩和され、人の流れが一層増すことで、お金も回り、道路や舗装がさらに整備されてより住みやすい街へと進化するのかもしれません。私が生まれたころにはすでに鉄道が普及していた日本と比べ、ベトナムではまだまだこれからという点が多々あることから、目に見える発展を目の当たりにできることをうれしく感じます。さらにそこに何かのビジネスチャンスがあるのではと、時折考えさせられます。ちなみに、FRIKA事務所は始終着点のCat Linh駅から徒歩3分程度の距離にあるので、今後の発展によってはその利便性を大きく感じる事ができるかもしれません。

  • 駅構内
  • 駅ホーム
  • 車窓からの風景
  • 車窓からの風景

乗車してみた感想

最後に私が実際に乗車した感想をお伝えします。まず券売機はベトナム語と英語の2択となっており不自由なく購入することができました。乗車券はSuicaのようなカードで、改札は日本同様タッチ式と挿入式の2タイプがあり、入場時はタッチして入り退場時は挿入してカードは回収されそのまま出ることができます。車両は4両編成、車内は日本の地下鉄のような幅の狭いタイプです。駅間が短いことからさほど速度が出ないため揺れも少なく快適に乗ることができます。しかしながら先ほど述べた通り、現在はまだ駅前の開発が進んでいないため、バイクや車の代わりに利用することは難しく、周りの乗客も観光目的での乗車がほとんどでした。


交通渋滞の緩和と空気汚染の改善という大きな目標に向けて今後の開発と発展に期待しながら、水と空気と環境をクリエイトする企業集団として注目していきたいと考えます。

  • 車両
  • 車内
  • 車内