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ドバイレポート

No.26

中東に身を置く

ドバイ支店の原田です。

暦が9月に変わり幾分か落ち着いたとは言え、日中は40度を超える残暑が続いています。炎天下に出ると命の危険を感じる暑さに加えて、コロナ禍という状況でどのようにして夏場を乗り切るか、これは特に活発な子供がいる家庭にとっては切実な問題です。子供向け施設はほとんどが閉鎖中か、営業していても密になりやすいため、適度な対人距離を保ちながらできるアクティビティを探し求めた結果、二つ見つけることができました。一つは密集を避けながらショッピングモール内を歩き回ること、もう一つはホテルのプール(人数制限あり)の日帰りパッケージを利用することです。週末をジッと自宅で過ごすストレスと、市中での感染リスクという相容れない事象にうまく折り合いをつけながら、日々を過ごしています。

今回は、最近のニュースに触れながら本題に入りたいと思います。

9月15日、アメリカ・ワシントンにてトランプ大統領仲介によるアラブ首長国連邦(UAE)とイスラエル間の国交樹立調印式典が開かれました。イスラエルとパレスチナ及びアラブ諸国が平和を実現するための歴史的な合意として、当事者各国は外交的成果を強調しています。今回のニュースが今後の世界情勢にどう影響するかはさておき、中東地域においては意義深い出来事と言えそうです。本稿では国交樹立の背景や政治的な思惑等については触れず、筆者の私見に留めたいと思います。

国交樹立のニュースがオープンになって以降、UAE国内では、イスラエルとの主にデジタルヘルスやバイオメディカル等の最先端テクノロジー分野、金融分野、金やダイアモンド取引などの協業や技術提携が活発になるだろうと報じられており、人々の往来が増えることでコロナ禍で低迷する観光産業においても一筋の光明として期待されています。また、当支店では間接的ではありますが、イスラエル企業から日本製品の問い合わせを受けることがありました。国交が結ばれることで、これまでは不可能だったイスラエルとの取引が、近い将来に自由化されると思われます。自由貿易に向けて、先ずは二国間の貿易の取り決めや法律が迅速に整備されることを期待しています。

当地では先端技術や経済効果という面で好意的な報道が目立ちますが、日本ではあまり大きく報道されないか、関心を持つ人は多くないと想像します。今のところ、当支店の営業活動および住宅建設市場への影響という観点では特にインパクトはありません。一方、個人的には、今まで私が中東世界と関わる過程で遭遇した(またはニアミスした)幾つかの出来事が思い起こされる象徴的なニュースでした。

中東地域に関心を持ち始めるきっかけとなったパレスチナ難民キャンプでの経験や、ベイルートで遭遇した9.11アメリカ同時多発テロのニュース、エジプト滞在中は米・イラク戦争の渦中にあり、リビアから帰国した翌年にはアラブの春と呼ばれる独裁政権の崩壊と内戦が勃発し、近しい人が巻き添えになりました。また、3.11東日本大震災当日はサウジアラビアに居り、固唾を飲んで原発の報道を見ていたのを鮮明に覚えています。

自分にとっては今回のニュースもこれら出来事の延長線上に位置するものです。悲惨なニュースが多い地域であることは事実ですが目を背けることなく、生活やカルチャー等の明るい話題にも目を向けながら、現場に近い目線で今後も注目し続けて参ります。



2020年9月
ドバイ支店 原田